海外転職は異世界転生である

たまに面白い記事でも書こうと思って、思いついたタイトルがこれである。特にオチは無いので安心して読んでいただきたい。

さて、小説家になろう、等の小説投稿サイトで一世を風靡した転生モノであるが、ラノベの一ジャンルとしての位置づけを確立し、いまだに人気は衰えていない(と思う)。

転生モノにもいくつかある。作品のチョイスで好みがバレるが、気になった方はぜひ読んでみていただきたい。

  • 生まれ変わるもの。(幼女戦記、無職転生)
  • 召喚などでそのまま異世界へ。(リゼロ、盾の勇者、このすば)
  • 憑依(本好きの下剋上、はめふら)
  • その他、スライムや蜘蛛への転生

このうち、着目いただきたいのは、召喚されて異世界へ行くパターンである。場合によっては言葉すら通じない世界へ飛んでいくのだ。まさに海外転職も同然である(断言)

さて無事に召喚されたとして、現地で生き抜くためには先立つものが無くては話にならない。身に着けたものを売ったり、知識を売ったりするわけだ。それだってうまくいく保証はない。カモとして騙されればお金が得られるどころか身の安全すら危うい。

日本を出るときも、きっとみんないくらかのお金は持っていくことだろう。今までに蓄えたいくらかを。ま、さすがに海外だからと言って身の安全まで危ないというのは少ない。けれど何も考えずに治安の良くない地域に迷い込めば、どうなるか。カツアゲくらいで済めばまだいいが。

なに?転生したら特典があるだろう、だと?

ふむ、なるほど。クズマもといカズマは特典を捨てた貴重な例だが、彼にしても初級スキルの組み合わせで賞賛されるほどだ。

日本を出た日本人にも、意外と価値があるものだ。例えばそう、折り紙。薄くて小さい紙を丁寧に端を揃えて折る、というのは実は高等技能だ。何を隠そう、祖父が折って送ってきた千羽鶴があったのだが、引っ越しに際し処分がてら知り合いにメールで流したら応募が殺到した。

「なんっという・・・見事な工芸品!!君の祖父はアーーーーーティストだ!」

みたいな感動が届いたのは記憶に新しい。まぁ、通常の折り紙を四等分して折った鶴だったので、小さいというのもプラスポイントだったのだろう。

他には、そう。家事も挙げておこうか。掃除、洗濯、炊事などだ。

日本人には学校で家庭科実習、そして掃除当番というものがあるね。おなじみの光景だ。海外で同じことをやっている国は少ないんじゃないだろうか。トイレやキッチンをキレイに使えない人を見ると、いかに日本の教育が底上げに寄与しているかわかろうというものだ。

ああ、そうそう。転生の話だったか。

転生と同じで、今までと違うセカイに行くということは、それまでのコネクション、ネットワークが失われる。海外に行く上で最大のデメリットの一つはセーフティネットが無くなることだ。

故郷にいれば、家族、親族、旧友、行きつけの店、スポーツ友達、何かしらの関係性がそこらにあることだろう。例えばあなたが病気で倒れたとして、病院に運ばれたとして、果たしてどうなるだろう?

きっと、連絡がつく家族や親族が駆けつけるはずだ。数日もたてばお見舞いが続き、古い友人や職場の同僚が顔を出すかもしれない。あるいは、医者が、看護師さんが、知り合いの可能性だって低くない。それは一種の助け合いのネットワークなのだ。

さて。転生した場合、あるいは海外に行った場合、そういったものはあるだろうか。上司が、同僚が、少しくらいは手助けしてくれるかもしれない。行きずりの親切な人が、手を貸してくれるかもしれない。しかしそれは確実なものではなく、セーフティネットとはほとんど呼べないだろう。

もちろん、現地の先達が助けてくれることもあるだろう。彼らもまた、セーフティネットが無い場所で生き抜いてきたのだから、きっとアドバイスはしてくれるはずだ。しかしそれは、親戚でも、十年来の金を貸してくれる悪友でもなく、ただの先達なのだ。

ああ、あとはそうだね、トラックには気を付けて。普段から轢かれてもいいように準備しておくことをお勧めしておこう。

ここまで読んだ賢い読者ならばわかるだろうと思うが、いきなり心構えもなく転生しても、ギザ十は役に立たないしスナック菓子もカップ麺もダメだ。身に覚えのない強姦の罪で投獄される可能性すらある(いや、ない)

そんなわけで、普段から心構えを持って準備しておくことは大切だ。いつ生まれ変わっても生き抜けるよう、おかんアートやシャンプーの作り方を覚え、ゼロから料理ができるように各種レシピを覚え、紙の製法を覚えておくと良いだろう。

ふざけてるのか、だと?いやいや、大真面目である。あなたがもしエンジニアとして海外転職を目指す人ならば、シャンプーは kubernetes かもしれないし、料理は Database エンジンで、紙の製法は TCP/IP のプロトコルに置き換えてみてはどうだろうか。

「採用されたら頑張ります」の心構えでは、いざ転生しても何もできないのである。事前にどれだけ準備できるかが大切なのだ。

あなたがもし幼女のパンツをかぶって喜ぶ変態であっても、顔色一つ変えず他人を射殺できる優秀な兵士であっても・・・・・・・いや、人間性は大切だ。この例は撤回しよう。とにかく、異世界でも活躍できる人間かどうか、で転生が決まると言っても過言ではない。準備は大切なのだ。

最後に。私はチートが嫌いである。

しかし、転生者が見た目に見合わない高い技能を持っていたとしても、正当な苦労と努力の末に得た知識やスキルならば、それはまごうことなき本人のものである、と断言して良いだろう?

本の中でしか、お話の中でしか、そういったチートのようなスキルや力は存在しないと思い込むのも良いだろう。でも、少しくらいは、自分にそういう秘められた力があって、それは他の人よりもちょっとだけ高くって、努力すれば報われると信じたっていいじゃないか。

もちろん挫折もあるだろう。勝てない相手もいるだろう。要は適材適所で、彼我の戦力差を見極めて、頑張れば勝てるところに全力でベットするのだ。非常識には非常識をぶつけるべきだし、あなたが非常識なほどの人間ならば、きっとこんなブログを読むことはなく、だからあなたは普通の人だ。それでも、普通の人が主人公であってはいけない決まりはない。

ハッピーエンドは、傷つき、もがき、苦しんで、それでも立ち上がった末に困難を打倒する、そんな主人公に与えられるものであるべきだ。

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